環境

豊後の「清明」が造られる大分県竹田市は県の内陸部で、阿蘇山近くに位置し古くからの風情が残る城下町です。滝廉太郎が作曲した「荒城の月」の舞台で知られる岡城跡があり、小説・坂の上の雲にも登場した広瀬武夫の出身地でもあります。

また 2017 年には「祖母・傾・大崩ユネスコエコパーク」にも登録された豊かな自然が広がる環境です。何より、ここ竹田は環境省が認定する「名水百選」に選ばれた湧水群があり、市内では澄んだ水が豊富に湧いています。周囲を川に囲まれ山中の中州にできた珍しい町で麦焼酎を造っているのです。

歴史

北の地に生きる萱島酒造から

町をそぞろ歩くと、城下町の風情が漂う竹田の町並み。かつては老舗商店が立ち並ぶ竹田の町には複数の酒蔵が健在でした。時代の流れと共に姿を消した蔵元、残り最後の蔵元も造りを終えた時、新たな蔵として引き受けたのは、大分県の北の地で生れ、育まれた日本酒蔵・萱島酒造でした。

明治6年創業以来、品質主義を貫き、地域の食に、暮らしに合う美味い酒「西の関」を生み出した萱島酒造の技と精神は、奥豊後の美しい水を使った「焼酎」造りに引き継がれたのです。

奥豊後に引き継がれた萱島酒類へ。

そして平成21年。観光客も行きかう町中に、萱島酒造の屋号「福寿屋」の看板を背負って、創業した萱島酒類。そして新たなる試みとして、他にはない萱島酒類だけの焼酎造りを始めたのです。

その焼酎は、大自然から湧き出る水をふんだんに利用し大分の麦焼酎には珍しい米麹使い、米の甘みと旨味を引き出す造りで行っています。

西の関の技と奥豊後の水が出会い、生れてきた麦焼酎が「豊後 清明」。清らかさと明るさをあわせ持つ澄んだ味わいの「豊後 清明」は、水の里にふさわしい焼酎として、人から人へ。

ゆっくりと永く、「清明」の味を伝えていきます。

▲これまで熊本国税局主催の酒類鑑評会では5回優等賞を受賞。

流れ

工程1 原料処理(米)
丁寧に米を洗い、米の状態に合わせ適切な給水量で一定の時間水にひたします。その後蒸し上げ冷まします。
工程 2 製麹
製麹(せいぎく)とは、麹をつくる工程のことです。蒸し米に種麹となる白麹菌を加えて混ぜ、麹菌をまんべんなく繁殖させます。麦焼酎では珍しい米麹仕込みの萱島酒類にとって最も重要な行程となります。
工程 3 一次醪
麹に水と焼酎酵母を加えて、酵母を大量に育成します。約 4~5 日ほど発酵させたものを「一次醪(もろみ)」といいます。
工程 4 二次醪
一次醪に、水と麦焼酎の主原料となる蒸麦を加えて、アルコール発酵をすすめる工程を「二次醪」といいます。
工程 5 蒸留
蒸留釡に醪を投入し蒸留していきます。萱島酒類では、常圧蒸留と減圧蒸留の 2 つの蒸留方法で原酒をとりだします。味や風味に違いが生じるのは 2 つの蒸留方法を行っているためです。
工程 6 熟成
蒸留したての原酒は、蒸留時の独特な香りが残っています。数か月貯蔵することで、焼酎のまろやかな風味や香りを引き出します。 その後、杜氏の管理のもと割水・濾過を行いビン詰されお客さまへと出荷されます。

職人

萱島酒類が日本酒蔵である萱島酒造の影響を色濃く受けている点がもう一つ。酒造りは「洗いに始まり洗いに終る」と言われるほど、つくりを始める数ヶ月も前から道具の清掃に注力します。

道具は丹念に手で洗い、仕上げには熱湯で殺菌します。

そういった長年培ってきた造りの精神・技術を最大限に活かし、ゆっくり丁寧に発酵させ蒸留した旨味豊かな本格麦焼酎を造り続けていきます。

また古来より日本の食文化に大いに貢献してきた米麹。この米麹仕込みの麦焼酎「清明」を進化させ新しい風を吹かせることが出来る様これからも精進、精進の毎日です。

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